201610/16Sun

認知症カフェおれんじ 店長ゆう屋のつぶやき!

いつもながら、わたしが癒されたのは、
認知症という名札はついているが、Yさんという女性の、
絵に夢中になって取り組んでいる姿だ。

目の前に置かれた、日に焼けた、南国娘ダンサー人形を、
丁寧に模写するのだが、そこには、Yさんの躍動するエネルギーがあった。
にんげんは、自分の中から湧き上がるエネルギーを堰き止めてしまうと、
病んでくる。
Yさんは、この認知症カフェで、はがき絵を黙々と描きながら、
みずからの手で、みずからを癒していっているのがよくわかる。
もちろんご本人は、そんなことなど、露とも知らずに。
さらに生命エネルギー溢れるような描き方の絵に、
見ている方が、気持ちがあつくなる。Yさんの夫も、この認知症カフェに来られるようになってから、
妻Yさんへの対応に、ゆとり、余裕が感じられるようになっていて、
介護者支援のuptreeが提唱しているように、
介護者が少しでも楽になれば、介護される方が楽になり、救われる、そのことを体現してくれているのが、Yさんご夫婦のケース。

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多くの認知症の方々にも、誰かがやさしく寄り添いながら、その方本来の命のエネルギーを、
その方にふさわしいやり方で、出させて差し上げれば、少しずつ改善へ向かうのは、間違いないように思うのです。

さらに、織姫(折り紙の先生)の、作ってきてくれた、モンゴルのゲル(長期生活できる、見事なテント状のもの)のような、和菓子などを入れる容器にもなる、器とフタと別々に作った折り紙の、デザイン、色彩にも魅了された。

認知症のYさんの夫の方にも、認知症予防に、わたしのやっている笑いヨガ以外に、さらに「グーパー体操」もいいよ、
と、勧めてくださった。
認知症の予防のみならず、うつほかにも、五感を刺激するということが、有効なのは明らかだが、
その中でも、はがき絵、折り紙など、手、指先を使うものは、大切。
もちろんその方々の好みが、一番大切なのは言うまでもないことだが。

まったりしながらも、笑いの耐えない、遠慮のないカフェの空間に、介護事業所の見学の方、介護系の若い女性のケアマネさん、ヘルパーさんも、驚かれていたようです。

それにしても、カフェ終了の後の、スタッフ、サポーターによる振り返りの折りに集中した話題は、
こんなコーヒーの200円かそこらの値段で、
このカフェがいつまでやっていけるの、経営的にどうなるのか、
このままじゃ成り立たなくなるか、80代の利用者の方々が本気で心配してくださり、
その話題になると、介護者支援uptreeの代表、阿久津さん、
その気持ちに、思わず目が潤んでおりました。そのくらいに、利用者の方々がここちいい居場所、と感じて下さっているようです。

代表、阿久津さんは、このカフェは、半民半官を目指すと言っている。
この様な居場所は、民間だけで出来る仕組みで終わってはならないと。
利用料金を利用者(介護者・被介護者)が負担する様な仕組みでは、今後も介護される側が気軽来られる場所としては、継続は出来ない。
これは、介護保険事業で出来ない、保険事業以外の家族介護者の支援の形にする、と。

介護保険、医療保険の話にも。
何も知らないご家族などは、医療、に付いては、介護保険よりも気軽に相談ができ、よりどころとなる場所と考えている。
そんな中、必要の無い薬を処方をされている現状もある。
そういうことをきちんと伝えてあげることも、わたしたちの役割、という話も出ました。
確かに、認知症などの多くの症状の多くのものは、薬もひとつの解決策、
それと大切なもの、知識、情報、コミュニティー。

こんな風に、認知症カフェ・おれんじでは、
ネスレさんのバリスタによる、温かいコーヒーをいただきながら、
カフェのその日の振り返りは、必ず1時間以上かかってしまうのでありました。

しかしこれこそは、
なくてはならないアウトプットの時間であり、スタッフ、サポーターが共に意見を述べ合い、理解し合い、
ふだんぎで、ピーチクパーチク。しかし、主に介護者、被介護者ほか、このカフェを利用してくださる方々が、
気持ちよく、過ごしてくださるのに、なくてはならない時間なのです。

12月には、認知症カフェ・おれんじの利用者と一緒に、無理のない山登り(リフトを使っての、高尾山限定ルートなど)を、したいね、というお話なども。

店長ゆう屋の「介護者俳句」

「自分のための 時間作って ほがらかに」

店長:ゆう屋。

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