202008/30Sun
WEB版1号【介護者新聞】始めます!
WEB版1号【介護者新聞】始めます!
この度、紙媒体“介護者新聞”がWEB版に変更となります!
小金井市中心の家族介護者が有益な情報をお届けしていきます!
「今月のトピック!」
◇ 『あなたはあなたのままでいい』~不登校を考える~
「きしゃぽっぽの会」代表 小川澄子さんへのインタビュー記事!
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◇ 『あなたはあなたのままでいい』~不登校を考える~
「きしゃぽっぽの会」代表 小川澄子さんへのインタビュー!
【不登校・ひきこもりを考える小金井の会】“きしゃぽっぽの会“ 小川澄子さん、前原さん
一人でなやまないで!
学校に行かれなくなった子どもの親御さん社会には出たけれども、ひきこもってしまった若者の親御さん
一人でなやまないで!「悩んでいるのは自分だけではない」、まずは親からちょっぴり元気になりましょう。
(きしゃぽっぽの会の案内より)
1995年 3月、不登校に関しての学習会に20名程の親御さんが集まりました。
その参加者から、毎月集まりたいねという声があがり、それが「不登校を考える小金井の会」のはじまり、後に「きしゃぽっぽの会」という通称名になりました。2019年12月、現在も継続している「きしゃぽっぽの会」。毎月6人~10人位の参加者は、小中学生、あるいは40代の子どもを持つ親たちだ。
※写真:右:小川さん 左:前原さん
代表の小川さんは、ご自身の子の不登校に関しては、学校の担任、専門家(小児精神科医)などには恵まれたという。いじめが直接のきっかけで中3の5月に学校に行か(け)なくなってしまったが、少し落ちついたあと、担任や副担任が家に訪ねてきてくれ、子どももそれを拒まなかったという。夜、親と担任とでの電話でのやりとりもしばらく続いた。(現在では考えられないことかもしれない・・・)ゲームを作るパソコンのクラブには行ったことはあったが、結局学校には行かないまま卒業。その卒業の時に担任は、「君とは一番お話したような気がします」と、そうメッセージをくれた。
ただ親どうしのつながりがなかったことが残念で、子どもの進路が見えた頃、前述したような学習会を持つ機会があり、そこから親の会をスタートできたことは、よかったと思う。
取材に同席していた東京教育総合センターの前原さんも、
今の学校の先生の大変さ、先生がもっと余裕のある条件で働けるように、そして、みんなが行きたがるような学校になってほしいことを強く話されていた。
やがて、参加されている人達が「卒業」していく反面、お子さんがそのまま青(成)年になり、また、新たに青(成)年の親御さんも参加されるようになり、「きしゃぽっぽの会」は、「不登校・ひきこもりを考える小金井の会」として、現在に至っている。家にいる息子の心配はとても大きいし、8050問題といわれる自分達親の亡き後のことは一番気になっていることのひとつではあるけれど、とりあえず、今は、彼が穏やかに生活できることで自分が自分であっていい、そして彼のエネルギーが貯えられていくのだろうと考えている。そのために親としてやらなくてはいけないことは・・・と考えながら子と向きあうようにしている。
「きしゃぽっぽの会」は、子どもの不登校・ひきこもりという同じ悩みを抱える人たちがここでは安心して話せる、当事者、家族の会であると同時に、1995年の立ち上げの時からずっとサポート(オブザーバー)してくれる専門家(相談員)の方達がいる。そのおひとりであるIさんが、こう話してくれたそうです。
「親がのこしてあげられるものは、お金(だけ)じゃない。相談できる人や、そして子ども自身に困ったことがあった時に、役所を含めて誰かに相談してみようという力をつけること・・・」
子どもを信じて、任せて、待つ。
簡単そうで、なかなか簡単なことではない・・・。
ある方が会へ初めて参加した時に、なんでこういう我が子の話を笑って話せるのか、そのことに違和感を持ったと、でも、
続けてきているうちに、それがわかるようになってきた、とずい分時間が経ってから言ったという。
他のところでは、話せない、話さない。悲しかったり、悔しかったり、うれしかったことを、親の会で話す。また他の人の話を聞くことで気づくこともある。
同じ体験をしている親同志だからわかってもらえる。共感できる、共感してもらえる。
きしゃぽっぽの会に来て話すと、元気が出て、何とか1か月もつのよ、そう言って笑ってくれた参加者がいたが、それは親の会の原点・基本だと感じ、またこれは、会を続けるパワーにもなっているそうだ。ひとりぼっちじゃなくて、顔を合わせて、グチを言い合い、いろんなことを話す。きしゃぽっぽの会の会報を毎月発行。まるで昔のガリ版刷りを思わせるような手書きの会報は、見ていてなんともいえない、なつかしい安心感を与えてくれる。年1回講師をよんでの学習会も行っている。
小川さん自身が受けている月1回の電話相談を通じて、親はあなたにとって居心地のいい場(家庭)をつくっていく。「あなたはあなたのままでいい」と子に対してゆれる思いはあるものの、そう思えるようになったという。息子には、もっと人と関わったり、好きなことをやってほしい。その中でエネルギーをためていってほしい、とそんな思いを持ちながら向き合い、また不登校やひきこもりの子を持つ親たちがひとりで悩まないでいるためにも、きしゃぽっぽの会が続けられればいいなと思っている。
家族介護者支援のNPO法人UPTREEを知り、不登校、ひきこもりの家族のことは、「介護者」なんだ・・・「わたしも介護者なんだ」という今までは思ったことのない発想に気づかされたと、小川さん。
これは実は物凄く大きいことなのではないかと、取材をしながら感じた。当事者の息子と、息子の介護をする親である小川さん自身、その二人の姿を、小川さん自身が少し俯瞰した天上から眺める目線、そこに何か大切なものがあるように思えた。
取材を終え…
小川さんは、自分の太っているという息子のことをこう話してくれた。
「うちの子はぬるま湯の中にいて、動かない」この言葉が、わたしの心を捉えた。
私にも同じような経験があったからだ。もしかしたら、誰もが似た思いを通過しながら生きているのでは無いのか。
生きていく中での出会いのきっかけ、タイミングは人それぞれで決まりは無い。
それぞれのタイミングで、社会との繋がりが始まる。
わたしの場合も、それは蜘蛛の糸のように細い繋がりに過ぎなかった。
それで良いのではないのかと思う。
ただ今の社会では、理解者が少なくそのタイミングをスタートさせてくれる環境が余りにも少ないと考える。
わたしは取材の最中、息子の担任の先生の「君とは一番お話したような気がします!」の言葉に、にんげんとしてのあたたかさ温もりを感じました。
社会の中に、当事者がそんな当たり前の温もりを感じられる居場所が必要なのではないか。
そんな当事者の居場所を作れないような社会なら、要らない。
不登校・ひきこもりの当事者が本当の意味でありのままでいられるような、温もりのある居場所とはどんな場所なのか?
それは、支援する側、支援される側などという壁を取っ払ったところにある、
すべてのにんげんに共通する命の温もりが通い合う、そういう居場所なのだろう。
取材:2019年12月9日
取材聞き手:NPO法人UPTREE 藤林 一正
写真撮影:KM@
毎月の例会について
日時:第4土曜日 13:30~16:30 場所:小金井市内の公民館など
代表:小川澄子
Mail:kishapopo2015@gmail.com
ブログ:https://koganeioya.exblog.jp
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編集後記
介護(ケア)をしている家族の多くは自分がケアをされる対象という認識がない。
今回取材をさせて頂いた小川さんも、そのお一人。
そんな介護を当たり前ではない社会にしたいと私は思う。家族だから…
何もかもが家族が担い苦しむことのない社会にいつかなることを信じ、この介護者新聞では
小金井市で介護を頑張っている人を主人公として掲載発行をしていきたい。
この新聞が、どの自治体にもできる事を希望にしながら…
2020年8月30日 NPO法人UPTREE 代表理事 阿久津 美栄子
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