201606/01Wed
報道関係者各位 「介護者手帳」発行のお知らせ ~認知症家族を介護する方の戦略と準備を支える 業界初の試み~
報道関係者各位
NPO法人UPTREE(本社:東京都小金井市、代表理事:阿久津美栄子、以下当社)では業界初の試みとして、家族介護を行っている方々を支えるための手帳「介護者手帳」を試験版の発行を経て、この度正式に発行する運びとなりましたことをお知らせいたします。
<家族介護者に向けた支援整備を急ピッチで進める必要性>
家族介護者とは、ケアラーとも呼ばれる方々の総称です。
近年、介護保険では在宅への回帰が見られ、ご家族を身内で在宅介護する方、すなわち家族介護者が増えております。内閣府『平成27年版高齢社会白書』では要介護高齢者で、施設サービスを利用している方は91万3千人に対し、居宅系サービスは278万6千人と約3倍となっております。
そんな中、厚生労働省が2013年に発表した『平成25年国民生活基礎調査』では「家族の病気や介護」でストレスを抱える家族介護者は約53.1%おり、かつ約19.5%の方は「自分の病気や介護」にも悩んでいることがわかっています。先の『高齢社会白書』では家族の介護や看護を理由とした離職・転職者数が年間10万1千人であり、とりわけ女性は全体の80.3%を占めていると示しています。また、男女・年齢別にみると、男女共に50代及び60代の離職・転職がそれぞれ約7割を占めております。
アベノミクスを通じて一億層活躍社会が目指され、「介護離職ゼロ」が叫ばれ、また介護保険も在宅へシフトする今日、家族介護者を支える活動や仕組みの整備が急務であると考えられます。
<家族介護者を支える「介護者手帳」>
そのような中で、当社は「介護者手帳」の作成にとりかかりました。家族介護者のインタビューに基づき「あったらよかった」を手帳として形にしたものとなっております。この「介護者手帳」は、いわば介護版の母子健康手帳であり、介護ロードマップを掲載して介護のための戦略作りとその準備を促します。手帳を用いて介護した内容を可視化し、ご本人を取り巻く状況をまとめることができます。介護の準備だけでなく、介護者が記録することに特化した専門手帳であり、とりわけ家族介護が困難な認知症の方への介護も対象としております。このような手帳の作成は業界初の試みとなります。
試験版は2015年12月より家族介護者を中心に600部配布しており、使用に関して感想をいただきました。今回の正式版はそれらを反映したものとなっております。当団体はこの介護者手帳を通じて、家族介護を行う人々の負担を減らします。将来的には介護離職ゼロを目指す企業に向けた研修の基礎テキストとして活用する、行政窓口より要介護認定が下りると共に家族へ配布されるなどで広く世間に浸透することを目指します。
<『UPTREE』とは>
東京都小金井市にて、家族介護をしている方への居場所づくりを行っている団体です。小金井市にて「認知症カフェ」を2か所で開催し、人材育成も並行して行っております。またまちカフェ小金井・1Dayケアラーズカフェを開催。将来的な家族介護を見越した事前啓蒙活動「介護者予備校」を主宰、介護保険外の枠組みから介護を行っているご家族様に対し「助け合い事業」も実施しております。
【本件に関するお問い合わせ先】
NPO法人UPTREE 事務局
Tel:042-288-7700 E-Mail:info@uptreex2.com HP:http://uptreex2.com/
プレスリリース→img198